ギップスランドで冬の釣り
- 鉄太 渡辺
- 2 days ago
- 4 min read

(Lakes Entranceの桟橋)
息子と二人で、ぶらりと釣りに出かけた。二泊三日、メルボルンの東のギップスランドの海岸だ。息子は23歳で大学4年、日本風に言えば来年は社会に出る予定だから、そうなるとゆっくり二人で旅行するチャンスもなくなるだろう。
まあ、そんな大袈裟な理由でもないのだが、彼は冬休みで暇そうにしていたから、誘ったまでのこと。息子が5歳くらいの頃から二人で釣りに行き始めた。主にギップスランドの海岸だが、その辺りの海岸や入江、岩場はほとんど二人で訪れた。だが、息子が小学校高学年になり、やがてハイスクールに入ると、サッカーや学校が忙しくなって全然行かなくなった。と言うか、思春期を迎えた息子と父親(私です)はあまり口もきかなくなり、ましてや二人で何かをするという習慣が全く途絶えてしまった。しかし、そんな息子も大人になり、この頃は普通に口もきくようになった。そんなで久しぶりに釣りに誘ったら、「いいよ、行こうよ」と二つ返事だった。

(若者ドライバーはかなりスピードを出す)
宿は、300キロ先のLakes Entranceにとった。ここは何度も訪れている。言ってみれば、我々のホームグランドだ。車の運転は息子にさせたが、ぶっ飛ばすので、途中一回休憩しただけで、三時間でついてしまった。
ここは町が入江に面しているから、車を置いてすぐに横で釣りができるし、シマアジなんかが入れ食いのこともあった。その日も、さっそく町の波止場から釣ってみたが、全然釣れなかった。まあ、冬だから、魚の食いも良くないんだろう。翌朝は、近くのLake Tyersまで行った。ここは、海につながっている塩水の湖だから、タイとかボラとかシマアジとかコチとかいるはずだが、ちっとも釣れない。魚には魚の都合がある。
そこで、また町の波止場に戻って釣る。今度は小振りのシマアジなんかがひっかかったが、小さすぎるのでレリースする。私は30センチのコチを釣った。これは美味しい魚だから、これだけで大満足だ。あとは、何も釣れなくてもいいや、みたいな大きな気持ちになる。次は、外海に開いた湾の入口に移動。ここの桟橋では、ベトナム系とおぼしき人たちが、大人数でカニ捕りをしている。大きな針金のカゴ型の罠に、チキンの骨や臓物をいれて海に放り込み、ときどき引き上げると、20センチくらいのカニが3、4匹は入っているという次第だ。
私たちは、彼らが10分おきにボチャンボチャンとカゴを投げている横で釣っていたから、騒がしくてあまり釣れない。息子は、20センチのオーストラリア・サーモン(アジみたいな魚)を釣った。それから、釣り針に3、4匹カニが引っかかってきたので、そいつらも持って帰ることにした。大きいのは、小さな毛ガニくらいあるから美味しいだろう。そろそろ日が暮れて寒くなってきた。「さあ、帰るか…」と、宿に戻る。
オーストラリアでは、日本の旅館や民宿みたいに食事は出ないから、外で食べるか、自分で作るかだ。今回はキッチン付きの宿だから、作って食べることに。息子は「でっかいステーキを食べよう」と言うので、スーパーでステーキ肉を買ってくる。ステーキは息子が焼いてくれるが、けっこう上手にミディアムレアに焼いてくれた。

ついでにさっきのカニも茹でて食べる。大鍋で15分くらい蒸したが、結構いける。息子は、「こんな風にカニを食べるなんて初めてだ!」と喜んでいた。ハサミのところにはけっこう肉が詰まっているし、胴体にはみっちり肉とミソが入っていて美味かった。
楽しい旅はすぐに終わる。もう今日は帰る日だ。朝9時、宿をチェックアウトし、こんどはゆっくり田舎道を走って、ギップスランドの釣り場2、3ヶ所へ寄ってから帰ることに。

(Port Welshpool Long Jetty)
まずはPort Welshpool。ここでは以前大物をあげたことがあるので期待したのだが、今回は何も釣れず。長い桟橋があるのでコンデションが良ければ、イカとかタイとか釣れそうだ。

仕方がないので、村に一軒だけあるよろず屋ストアで、フィッシュ&チップスを食べた。こういう辺鄙な場所のフィッシュ&チップスは意外にうまいが、インスタやFacebookなどにはまず登場しないだろう(とか言って、書いているのは誰だ!)。

(Fish and chips 白身魚、イカ、揚げシュウマイ、ポテトのセット)
もう一ヶ所、Inverlochという海辺の町による(スコットランドの地名みたいだ)。「今ここでは、大物のオーストラリア・サーモン(上にも書いたが、鮭ではなくてアジみたいな魚)が上がっているらしい」と息子が言う。雨も降り始めたので、カッパを着て小さな波止場から釣る。すると、息子の言う通り、けっこう当たりがあるのだ。そのうち、息子がでっかいボラを釣った。日本の泥臭いボラと違って、オーストラリアの冬のボラは臭みがなくて、まあまあ食べられる。隣で釣っていたおじさんが40センチのサーモンを釣り上げた。「俺は食わないから、あげるよ」と気前よくくれた。息子も、サーモンやシマアジなんかを釣り上げる。小さな子どものタイなんかも釣れるが、これはレリース。私もカワハギとサーモンを2、3匹あげる。

(車ってのも、釣具の一種かも)
雨脚が強くなり、暗くなってきたから、「そろそろ帰ろうか?」ということに。息子も、「久しぶりに興奮したぜ」と喜んでいる。Inverlochからメルボルンのうちまでは100キロだが、息子がぶっ飛ばしたので、案外すぐに帰れた。
いやあ、楽しかった!




Comments