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伊東における「ノルウェーのサバ」について

2024/10/03


伊東で暮らして、今日で通算33日目。暮らしの方もだいぶ落ち着いてきた。


伊東大川の鯉は、大海に出て行かんと、河口で機会をうかがっている
伊東大川の鯉は、大海に出て行かんと、河口で機会をうかがっている

9月頭にオーストラリアから帰国して、成田から伊東に直行したのだが、最初の二週間は、家財道具を揃えるので終わってしまった。9月なのにまだ滅法暑かったから、冷蔵庫がなくて往生した。だから冷蔵庫をいの一番に注文したのだけど、伊東の家の台所は二階だから搬入が問題だってことまで気が付かなかった。幅広の冷蔵庫だと階段を通らないことがあるなんて、初めて知った。だから二階用のスリムタイプを買った。ヤマダ電機のおじちゃん、ありがとう。 


冷蔵庫を待つ間も、ニトリとかカインズとかダイソーとかCan Doとか(みんな伊東にある)に通いつめて鍋釜とかお箸とかザルとかいろんなものを買いそろえた。川崎の美人妻T林さんはご主人とゴルフに来て、うちにも寄ってくれた。引っ越し祝いに象印の電気釜をくれたのが、とても助かっている。ありがとう!


冷蔵庫がなかったから最初の一週間は外食が続いた。だから冷蔵庫が来た日は、お祝い気分だった。アジの刺身でも冷奴でもモズクでもノンアルビール(わたしゃ、酒飲まない)でもプリンでも、どんと来い!という気分で、近くのスーパーに出かけて山ほど買い物をした。


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そうでなくとも、家財道具揃えるんで伊東に来て買い物ばっかりだったから、気がついたら私は、「われ買う、ゆえに我あり」という人になってしまった。今後はリハビリが必要だ。


自炊の初日はアジの刺身とサバミリンを腹一杯食べた。美人妻の炊飯器でご飯も炊いた。やっぱり自炊が一番、一人でしみじみサバなんか焼いていると、なんだか令和の永井荷風になったような気がする。頑張ろう!


そのサバミリンとか塩サバは、どこのスーパーでも一枚三百円くらいで売っていて、安くてうまい。一日おきくらいに食べている。これと納豆と豆腐さえあれば、何もいらない。(もっと野菜を食べよう!)朝早く、伊東港の魚市場近くの新井という辺りを散歩していると、干物屋のおっちゃんたちが、くわえタバコが煙たそうな顔で魚をさばいている。とれたての魚をさばいているなんてさすが伊東!と思っていたら、サバはなんとノルウェー産だそうだ。冷凍でやってきたノルウェー出身を解凍して、それをミリン干しにしているんだな。「目黒のサンマ」というか、「伊東のさば」だ。オーストラリア人の友達で、伊東に来てサバ食って美味いと感動したディランに教えたら、がっかりするだろう。でも、ディランの「伊東のサバ礼賛」を聞いて、ここに家を買ってしまった私も私だ。やっぱり、サバは伊東に限ります!


そうは言っても、やっぱり伊東は他の魚もうまい!うちの近所の山常鮮魚店は、素晴らしい。(サバも売っているが)ここの刺身は、イナダとかトビウオとかアジとかムツとか、おおむね地物だ。美味しそうなタコの切り身も売っていたから、「これも地物?」っておばちゃんに聞いたら、「アフリカ産だよ。でも、柔らかくて美味しいんだ」と言っていた。座布団一枚!


話は変わるが、我が家のすぐ横が苔むした古い石段で、そこを裏のホテルの寮の若人たちが、朝夕にぎやかに通っていく。私が石段の草むしりなんかしていると、みんなニコニコ「おはようございますぅ!」って、丁寧に挨拶をしていく。ホテルの従業員だから挨拶が上手で、笑顔がとてもいい。その人たちは、みんな南アジア、東南アジアから来た人たちのようだ。


日傘が似合う女性は素敵だ
日傘が似合う女性は素敵だ

彼女たちを魚と一緒にしちゃ失礼だけど、伊東の魚たちもノルウェーとかアフリカとか多民族社会になってきていて、伊東の人間もいつの間にかそうなってきているってことだな。頑張れ、伊東、ここに世界中の人を集めよう!


あと、伊東で何をしているかというと、朝夕の涼しい時間帯に、自転車で走り回っている。冷川峠に行く途中の松川湖までは結構坂がきつかった。川奈のいるか浜までは最高の海岸ロードだ。伊豆高原も宇佐美へも行った。


バスにも、あちこち行くのに乗っている。うちの前を、2時間に一本だが、伊東発修善寺行きが通るので乗ってみた。これがスリル満点!伊東病院を過ぎると、もうそこは山道の狭いワインディングロード、少し小振りのオレンジ色の東海バスがコーナーをガンガン攻める。マニュアルシフトだから、エンジンブレーキもブイブイ効かせて。伊東発だと左側が崖っぷちだから、そっち側に座るとスリル満点だ。修善寺までは1時間くらいの峠越え。


冷川峠までのワインディングロード
冷川峠までのワインディングロード

帰りは、伊豆箱根鉄道で三島まで出て、熱海経由のちょっとした小旅行だ。修善寺駅前の長倉書店が、小さいけど渋い伊豆文学セレクションだ。1時間くらい立ち読みし、迷いに迷って、石垣りんの詩集『表札』を買って、帰りの伊豆っぱこ鉄道でパラパラ読む。石垣のお母さんのお墓は、伊豆にあるらしい。詩集は、どこからでも読めるのがいい


足のいいヤツ、東海バス
足のいいヤツ、東海バス

もっと書きたいことがいっぱいあるけど、今日はこれくらいで終わり。

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