セレンディピティなできごと?
- 鉄太 渡辺
- Mar 16
- 3 min read
Updated: Mar 24
2週間くらい前にぎっくり腰になってから、ほとんど出かけてない。車にも乗りたくないし、出かける用事も2、3あったものの、腰を労わるために、みんなキャンセルしてしまった。

そんなでずっと家にいたのだが、その間に娘とその連れ合いが、連れ合いの実家があるニュージランドへ週末に行くというので、彼女らの犬を預かっていた。それもあって、余計に家に張りついていることになった。犬の散歩で少しは外に出たけど。

夏は、その間もまだ続いていて、そろそろオーストラリアの暦では秋なのだけど、まだまだ気温が34度とかいう日がある。そんなある日、隣家の高さ20メートルくらいあるユーカリの木が、うちの敷地に大枝を落とした。夏場の乾燥した時期にはよくあることだけど、用心が必要だ。だが、事もあろうにこの大枝は、うちのカミさんが3週間くらい前にあつらえた新車を直撃したのだった。

だから、うちのカミさんは新車が大破したのでガックリしてしまった。どうしてそこに駐車していたかと言うと、娘の犬を預かっていたので、普段は閉じない家のゲートを閉じていたからだ。面倒だから、カミさんはゲートの外に車を駐車したのだった。そこは滅多に車をおかない場所だった。私はその時、そこに車があるのを見て、「新車だし、ゲートの中に駐車した方が安全だろう」と考えた。そして、その10分後に大枝が落ちた。当然私は、車を動かしていればこんなことにはならなかったと考えた。しかし、よくよく考えてみれば、そんなことをしていたら、私が大枝の下敷きになって大怪我をしていたかもしれない。どちらが良かったなんて、全く分からない。

この間は、「ぎっくり腰」と言うのは英語にはない単語だと書いたが、逆に、英語にはあるが日本語にはない単語というのもある。その一つに、serendipityセレンディピティという語がある。これは、「幸運な出来事が偶然重なること」という意味だが、そう日本語で訳してもあまりニュアンスが伝わってこない気がする。

カミさんの新車に大枝が降ってきて大破したことは、まったく運が悪かったわけで、セレンディピティの真逆という風にもとれる。バッドラックである。しかし、そのおかげで、私が怪我をせずに済んだという側面に着目するならば、これはまさにセレンディピティであるとも言える。物事というのは、裏返してみれば逆の見方ができる。
しかし、結論から言うならば、こういう出来事は単なる偶然なわけで、あまり意味づけをしようとしても始まらない。単なるオーストラリアの夏の風物詩くらいに考えよう。
ここで一句浮かんだ。
新車にも大枝落とすユーカリ樹





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