走りながら瞑想する

鉄太渡辺
Oct 31, 2021
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2021年10月31日

10月も今日で終わり。みんなそうかもしれないけど、今年は、コロナのせいで何だか空白の一年だったような気もします。考えてみれば（考えなくとも）、僕には５０代最後の一年なので、それがこんな一年で良かったのかと考えますが、そうは言っても、自分的にはそれなりに頑張ったではないかとも思うので、これで良かったことにしましょう。

(土曜日は雨がたくさん降った)

さて、春のメルボルンの天気は変わりやすく、降ったり晴れたりで、相当の降雨があったかと思うと、ピカーンと晴れたり。普段は机に座っている時間が多い僕は、晴れるとお尻がそわそわし、ビタミンDとかセロトニンとか、楽しく健康に生きるために必要な物質を分泌しなければと、外に飛び出すのです。

（日曜日はカーンと晴れた）

昨日土曜日は、やっと雨が止んで曇りになったので、伸びた庭の芝を刈りました。少しまだ濡れている芝を刈ると、芝刈り機のエンジンがすぐ止まってしまうので面倒ですが。やっといて何ですが、芝刈りと言うのは地球温暖化の面から考えると、非常によろしくないことです。しかしながら、芝刈りはオーストラリアとかアメリカとか、そういう国の大概の家庭においては、ほとんど必須な作業なわけだから、オーストラリア中だと一体どれほどの芝刈り機が毎日稼働しているのか考えると恐ろしくなります。すごい排ガス量だろうな。家庭だけでなく、中央分離帯とかゴルフコースとか、学校の校庭とか、ありとあらゆる場所に芝が植えてあり（多くはただの雑草だが）、いつも誰かが芝刈りをしています。こんな無駄は止めてしまえ！と、時々叫びたくなるのですが、じゃあ芝刈りを止めるとどうなるかと言うと、地獄のように草が伸びてすごいことになるのです。

（芝刈り機とツーショット）

我が家も２、３年前、夏の芝が伸びて伸びて仕方がない時期に日本に１ヶ月以上滞在してからメルボルンに帰ったら、腰の高さまで庭の芝が伸びていたことがありました。古い、ボロい芝刈り機で刈ろうとしたら、草が伸びすぎで芝刈り機が壊れて死に、仕方なく、新しい芝刈り機を買ってきて刈りました。そしたら働きすぎで右肩の50肩が悪化し、その後２年近く右肩が上がらなくなって、マッサージや針をやったのち、最後はコーチゾンの注射をして治療しました。

だから、芝刈りは、ためちゃいけない仕事なのです。じゃあ僕にとって芝刈りは悪いことばかりかと言うと、そんなこともありません。私は小学校５年生の半年と、その２、３年後の思春期の一時期を米国の中西部と東海岸で過ごしたことがあり、その時の楽しい記憶と、芝刈りの草の匂いがダイレクトに結びついていて、芝刈りをしていると、時に「快」の状態になるのです。その時期に初恋をしたせいもあって、芝を刈っているとと、ツーンと甘酸っぱい思いで心が満たされてくることがあります（初恋なのに複数の女の子の顔が浮かんでくるのは何故か？）。

ああ、何を書いているのか分からなくなってきた！　確か、今日の書き出しは、今年の10月はもう終わった、でしたね。

そうそう、ロックダウンも終わったし、日曜の今日は天気も良かったので自転車にまた乗ってきました。いつも行くウォーバートン・トレールという自転車道を往復５０キロばかり。ロックダウン中にゲットした、パナソニックのミラーレス・カメラを背負って、写真を撮りつつ、たらたらと。

（ウォーバートンまで平で真っ直ぐの道なので、瞑想するにはちょうどいい）

僕にとって自転車に乗るのは、運動よりも瞑想、メディテーションなのかもしれません。瞑想というと目を瞑って、じっと座禅というイメージだけど、そうじゃなくて、しゃかしゃか自転車こいでると、ある時から頭の中がすかーんと空っぽになってくるのです。心配事とか、仕事の算段とか、税金とか、そういうことは全然考えない頭脳になる。つまり、鳥とか犬とか牛とか、そういう動物レベルの思考ですね。頭に浮かぶのは、ああ喉が渇いたとか、お腹が空いたとか、お尻がちょっと痛いとか、その程度になっていきます。そのくせ、転ばずにちゃんと走っているのが不思議ですが。そして、しばらくして、ふと、あれ、今まで何を考えていたんだろう？って我に帰る、そんな感じです。わかりますよね？