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ミッドライフクライシス( 中年の危機)対策にしたこと

2021年9月11日


先日、天気も良かったので、ガレージにずっと仕舞ってあったシーカヤックにたまった埃を洗い流すために、近所の湖を一周してきました。


(近所の湖をカヤックで散歩。徒歩では行けない場所に行けるのがメリット)


久しぶりにカヤックを漕ぎながら、ずっと以前に「ミッドライフクライシス( 中年の危機)」が自分にもあったなとふと振り返りました。今から10年ほど前、50歳になった頃前後に、いろいろ気持ちが揺れて、あちこち体調も悪くなったりしました。そこで、これではいかん、もう少し頑張らなければ!と始めたのが、シーカヤックでした。


(うちのガレージはオモチャ箱状態)


(シーカヤックと私)


最初は、二日間のシーカヤック入門コースに入りました。初歩的な漕ぎ方、救助法、観天望気(天気の読み方のこと)、海図の読み方など教わりました。メルボルンのカヤックショップが主催したコースでしたが、なかなか厳しくて、初日に二十名ほどいた参加者が、二日目は半分に減っていました。


そのコースを終えてから、僕は「えいやっ!」と清水の舞台から飛び降りるようなつもりでシーカヤックを購入(「退路を断つ」と言うんでしょうな)し、ビクトリア・シーカヤック・クラブの門を叩いたのでした。


シーカヤックというのは、カヤックの中でも一番硬派と言っても良いでしょう。海の真ん中まで自分の力だけで漕いで出ていき、丸い一日カヤックの中で過ごさなければなりません。移動の距離も10キロ、20キロは普通で、上級者は海峡を横断したり、島伝いに旅行をしたりもします。だから、そこらの湖でパチャパチャやっているオモチャのカヤックとは違います。散歩と登山の違いと言ったら良いかもしれません。


だからシーカヤッククラブは、けっこう厳しかったです。レベルも4つの等級に分かれていて、入門者はゼロから始めます。一年経つと、1級の試験を受けられます。2級は、どんな状況でもどんな場所でも漕げること。大きな波の中とか、逆風とか、早い潮流のあるところとか。3級はグループを引き連れてツアーができるリーダーになれること。ここまで来れば、まず地球上どこでも行ける実力がつきます。ここまでは試験制。最後の最高位は「インストラクター」です。インストラクターは試験じゃなくて推薦制なので、いくらなりたくても他のインストラクターが認めないとなれません。すなわちインストラクターは「神様」。クラブにも、インストラクターの人は三名ほどしかいませんでした。


僕は、カヤックを始めて10年経ちましたが、万年1級のまま。1級と言っても、試験は厳しかったですよ。他人のカヤックがひっくり返ったら救助できること、自分がひっくり返ったら自力でカヤックに戻れること、ひっくり返って水没してもそのままカヤックを引っ張って100メートル以上泳げること、海図が読めること、観天望気の初歩ができること、海上を15キロは自力で漕げることなどです。これを実地で試験されます。2級は、さらにこの倍くらい厳しくなります。1級はいっぱいいたけど、2級からはグッと数が少なくなります。


でも、今は全然シーカヤックはやっていません。2、3年前から五十肩なのか右肩が痛くなり、クラブを辞めました。もしかしたら漕ぐフォームが悪かったのかもしれないし、他の理由なのか分かりませんが、2年くらい痛みに悩まされました。あと、クラブを辞めたのは、他にも理由があります。体育会系の厳しさと言うか、階級制度のせいか、やっぱり上級者が威張っているようなところもなくもなかったですね。オーストラリアにも、あるんですねえ、そう言うことが。


で、カヤックに並行して、実はカヌーもやっています。こちらは海じゃなくて川です。知り合いに勧められて、おじさんとおばさんの同好会みたいなチームに入り(平均年齢65歳くらい)、年に二回くらい大きなレースに参加してきました。こちらは和気あいあいの気楽さ。


カヌーとカヤックの大きな違いは、パドルです。カヤックは左右両方で漕ぐ長いパドルを使い、カヌーはシャベルのような片側で漕ぐパドルを使います。どちらが難しいかと言うとカヌーです。片側で漕ぐので、初心者はまっすぐ進めません。カヤックは、左右両方で漕ぐので初心者でもまっすぐ進めます。


(右がカヤックのバドル、左がカヌーのパドル)


カヌーはもっぱら川や湖など、波がないところで漕ぎます。その代わり、かなり長距離を漕ぎます。一番長いのは5日間かけて440キロを漕ぐマレー川マラソンです。これは仲間と三回出場しました。三日間で200キロを漕ぐ南オーストラリアのリバーランドマラソンにも三回出場しました。僕は、これらカヌーマラソンは、リレーチームに参加したので、一人が一度に漕ぐ距離は30キロ、4時間くらいです。でも、結構きついですよ。


(2017年の南オーストラリア、リバーランドマラソンに出場の私)


私が、これまでで1日に自分一人だけで漕いだ最高距離は50キロ。早朝から夕方まで丸一日かかります。最後は苦しくて倒れそうでした。そうしたら、大学時代にワンダーフォーゲル部に所属していた時、苦しくなると最後は歌を歌いながら山を歩いたことを思い出しました。そこで知っている歌をかたっぱしから歌いながらカヌーを漕いだら、どうにか50キロ漕げました。歌を歌いながらゴールしたので、仲間には「ランナーズハイかい?良い気分だね!」とからかわれました。


そんなことをしているうちに、私のミッドライフクライシスは霧散したようです。カヤックやカヌーを必死で漕いでいるとストレスもなくなるし、友達がたくさんできたことも良かったんでしょう。


この頃どうにかまた五十肩が 軽快してきたので、またシーカヤックも再開し、あちこちの海を漕ぎまくるのも悪くないなんて夢想しています。来年は六十歳になるし、初心に戻ることも大切かもしれません。ただ、五十歳の時と違って、今はあまりがんばろうとは思いません。マイペースで、楽しみながら、ゆっくり行けるところまで行こうと思っています。


(湖上にひっそりと咲く蓮の花)

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