レイモンド島での夏休み
- 鉄太 渡辺
- Jan 11, 2022
- 4 min read
2022年1月11日
オーストラリアの正月は、特にお屠蘇気分というのもなく、静かなもの。我が家は、昨年はあまり旅行もできなかったし、日本への帰国もできなかったので、夏休みだから「家族旅行に近場で良いからどこかへ行こう」ということになった。
ところがコロナのせいで、近場は結構混んでいる。でも、カミさんがレイモンド島というところのエアビーを予約してくれたので、そこへ三泊四日で行ってきた。メルボルンから東へ二百キロちょっと、ギップスランド地方の海岸にある島だ。縦二キロ、横五キロほどの小さな島で、コアラがたくさんいることで有らしい。
(以下、レイモンド島で見つけたコアラのイラストなど)



メルボルンから、休憩も入れて3時間半でレイモンドアイランドについた。島だから本土からフェリーで渡る。と言っても、たった300メートルほどの海峡?を渡るだけ、乗っているのは3分ほど。なのに料金は車両は往復13ドル(約1000円)と安くない。ただし、自転車や徒歩は無料。

予約したエアビーは二階建て、寝室が四つもあるので家族みんなと友達連れででも大丈夫。今回は娘とそのボーフレンド、息子とそのガールフレンドと私たち夫婦の六名。娘の友達二人も来るはずだったが、かわいそうにコロナに感染したので来れなくなった。

島に着いて早々カミさんが「コアラちゃんに会いに行こう!」と言うので、まずは散歩に。コアラトレールという散歩道の標識が出ていたので、これに沿って歩く。コアラがいないか上を向いて歩いていると、坂本九ちゃんの「上を向いて歩こう」のメロディーが頭に浮かんだ。僕たち以外にも、上を向いて歩いている人がたくさんいる。つまずいて転ばないように注意だ。幸い、島だから車はあんまり走っていない。
そして、いたいた、コアラさんたち!

昼間だから、コアラさんたちは木の上で爆睡中。どうしてこんなところで寝るかね?というような木の枝で寝ている。地上3メートルから5メートルくらいが平均かな。お尻を木の股に載せ、前足で幹を抱えて寝ているコアラが多い。うちのカミさんが、「かわいいー!」と歓声をあげると、中にはこの下のコアラみたいに、「るせー!」みたいな顔をしてこちらを睨む奴もある。

下の写真のコアラは、陽の光が眩しいのか、手で顔を覆って寝ていた。

レイモンドアイランドにいる間は、コアラを見たがるカミさんに付き合って散歩ばかりしていた。夜散歩に出ると、コアラが活動を開始しているのか、あちこちで鳴き声が聞こえる。「ブーブー、ボッボッボ!」みたいな、子豚が鳴いているみたいな声で鳴く。木の近くに行くと、うるさいくらいの声量だ。人の気配がわかるらしく、近づくと鳴くのをやめる。
散歩をしていて気が付いたが、レイモンドアイランドは水捌けが悪いらしく、道路が冠水しているところが多く、このトラックなどは完全に水没していた。多分、調子良く四駆で走り回っていたら埋まってしまったのだろう。

我が家が、仲良く家族旅行に行くのは年に一回あるかないかくらいのものだが、出かけてみると、やっぱり良いもんだ。夜など、数年ぶりでトランプなんかもしてしまった。息子のオーストラリア人のガールフレンドと、娘のニュージーランド人の彼氏に、ジジ抜きやババ抜きを教えてやった。子ども時代にかえったように盛り上がれるものだ。昔お正月の時には、親にせがんでトランプしたことなんか思い出す。うちの息子はオーストラリア生まれ育ちのくせに、ちゃんとお年玉をもらうことを知っている。そんなところははちゃんと「日本人」だ。でも、もう19歳だから、お年玉はもう今年で終わりだろう。
レイモンド島には、コアラだけでなくて、他にもカンガルーやペリカンや色々な鳥もたくさんいる。ウサギもたくさん走り回っていた。オーストラリアでウサギは害獣だが、レイモンド島には犬や狐などの天敵もいないから、ウサギやコアラには天国だろう。
徒歩は無料なので、フェリーに何回か乗って対岸のペインズビルという街にも行ったが、ここにも何もなし。ブラックスワンがたくさんいて、餌をやる人などを眺めてのんびりした。

コアラがいるというだけで、他には特に見るものもないレイモンド島だった。釣り好きの息子と釣りもしてみたけど、なぜか一匹も釣れず。でも、こうした何もしない夏休みというのも良いもんだ。

三泊だけだったが、十分のんびりして帰ってきた。近場の旅行も悪くない。




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